優れた若手研究者を顕彰する「GREEN拠点賞 長期RA賞」
山梨大学は7月4日、6月22日に茨城県つくば市の国立研究開発法人 物質・材料研究機構で開催された「第13回GREENシンポジウム」において、同大学・燃料電池ナノ材料研究センターの青木誠研究員が「平成27年度GREEN拠点賞 長期RA賞」を受賞したと発表した。
同賞は、平成27年度における同機構・ナノ材料科学環境拠点(GREEN)での研究活動を対象として、優れた若手研究者を顕彰するものだ。
リチウム空気電池にシリコンを安定的に使用するための研究
研究題目は、「単結晶シリコンへの電気化学的リチウム挿入/脱離過程の追跡」だ。
次世代の蓄電池で、大容量の蓄電が可能なリチウム空気電池は、負極材料としてシリコンが注目されている。しかしながら、リチウム電池の負極材料にシリコンを使用した場合、充放電過程におけるシリコン中へのリチウムの挿入・脱離によってシリコンの体積が著しく膨張するため、電極が劣化してしまう点が課題となっている。
研究においては、リチウムの挿入・脱離のメカニズムを解明するため、単結晶シリコンを用いて、原子レベルにおける挿入・脱離過程を追跡した。それにより、リチウム挿入・脱離において形成される物質の構造とシリコン基板原子配列の関係を明らかにした。
山梨大学・燃料電池ナノ材料研究センターは、燃料電池の本格的な普及のため、原子や分子の配列を自在に制御できるナノテクノロジーを駆使した研究を実施し、燃料電池の基礎的技術の確立を目指している。

山梨大学 トピックス
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