計画段階環境配慮書に対する環境大臣意見を提出
環境省は6月10日、秋田県で計画されている「(仮称)秋田県北部洋上風力発電事業計画段階環境配慮書」(株式会社大林組)に対する環境大臣意見を経済産業大臣に提出したと発表した。
この事業は、秋田県能代市、三種町、男鹿市の地先約4,900haを使って、最大で総出力455,000kWの洋上風力発電所を着床式で設置するもので、事業実施想定区域の周辺には、重要野鳥生息地(IBA)の八郎潟等があり、多数のガン・カモ類が確認されているなど、渡り鳥の主要な渡り経路となっている可能性がある。
また、事業実施想定区域の周辺には、他事業者による複数の風力発電所が設置済及び環境影響評価手続きを行ってもおり、今回平成28年4月26日に、経済産業大臣から環境大臣に意見の照会があったもの。
渡り鳥への影響が懸念され、調査し配置等の検討を
これに対し環境大臣意見では、最新の知見及び先行事例の知見を反映し、環境影響を回避又は極力低減すること、適切な時期、調査手法等により鳥類調査を実施し、風力発電設備等の配置を検討すること等を求めている。
環境影響評価法及び電気事業法は、出力10,000kW以上の風力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境大臣は、提出された計画段階環境配慮書について、経済産業大臣からの照会に対して意見を言うことができるとされている。
今後、経済産業大臣から事業者である株式会社大林組に対して、環境大臣意見を勘案した意見が述べられ、事業者は、意見の内容を検討した上で事業計画を決定、事業段階の環境影響評価(環境影響評価方法書、準備書、評価書)を行うことになる。
この環境大臣意見は、別紙(下記にリンク)にて4項目の総論のほか、各論として、渡り鳥への影響が懸念されるため、適切な時期・時間帯等と調査手法にて調査をし、配置等を検討することとしている。

環境省 プレスリリース
http://www.env.go.jp/press/102632.html(別紙)大臣意見
http://www.env.go.jp/press/files/jp/103134.pdf